航空気象庁では、航空航行の安全性と定期性、効率性の向上のため、国際民間航空条約付属書(ICAO Annex 3)及び世界気象機関(WMO)技術規定、地域航空航行協定が定める標準と勧告に基づき、航空気象業務を行っている。全国の航空気象業務を統括する航空気象庁は仁川国際空港に置かれ、金浦・済州・蔚山・務安空港には空港気象台が、金海・大邱・麗水・清州・襄陽・光州・浦項・泗川空港には空港気象室が設置されている。航空気象庁は航空気象観測、航空気象予報及び特報、危険気象情報等を発表しており、航空固定通信回線(AFTN)を通じて収集した全世界の気象情報を航空会社や関連機関へ提供している。
航空気象観測業務は自動化されており、全国の民間空港及び軍管轄空港に気象観測装備(AMOS)を設置し、風向、風速、滑走路視程、気温、気圧、降水量等を観測している。また、航空気象庁では航空機の安全運航に必要な気象情報を作成・提供するための航空観測要素を分析し、定時観測、局地定時観測、特別観測、局地特別観測等を行っている。
航空気象観測データと様々な数値予測データ及びWAFS(世界空域予報システム)受信データをもとに、航空機の運航に必要な空港予報、離陸及び着陸予報、天気図形式の低高度及び中高度広域予報(SIGWX chart)等を作成、提供している。空港予報と低高度及び中高度空域予報は一日4回発表され、着陸予報は1時間又は30分間隔で観測、発表され、離陸予報は毎時間発表される。なお、これらの予報は気象状況の変化に合わせ、必要に応じて随時修正発表される。
航空気象庁では地上の航空機と空港施設、空港の業務及び航路において航空機の安全運航に影響を及ぼす可能性のある気象状態に関し、航空気象特報を発表している。特報の種類は以下の通りである。
地上1,600ft(500m)以下で進入中、離陸中、旋回中の航空機に悪影響を与えうるウインドシアが観測又は予想される場合に発表
※ ウインドシア : 不規則な気流により風向・風速が急変する局地的な突風
韓国の飛行情報区域における気象監視を通じ、運航中の航空機の安全に影響を与えうる雷雨、台風、乱気流、着氷等の危険気象が発生又は予想される場合に発表
ウィンドプロファイラ
WAF
視程計
航空気象庁