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黄砂

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中国

中国01

Annual frequency of dust storms in China.
DAta from Goudie (1983) are given in bigger numbers.

中国の国土面積の13%占める砂漠地帯は黄砂(Asian dust)の主な発生地で、この地域は、東経75°から125°、北緯35°から50°までの温帯乾燥地域に含まれています。主な風食地域は、黄河流域の盆地に連なる、中国北部及び北東部のゴビ砂漠の広大な地域、及び、中国西部及び北西部の砂漠地域です。タクラマカン砂漠は中国最大の砂漠であり、面積は32.74×104 ㎢に達します。 砂漠の内陸地域における17か所の観測所で観測された30年間(1961~1990)の視程データを分析した結果、Manxiyi及びTazhongyi地域では最大60日にも達する事が分かりました。

中国の砂漠分布は、東アジア並びにインドのモンスーン、南部、南西部、南東部からの湿潤な空気の影響による降水現象と関連しており、中国の砂漠はユーラシア大陸内部に位置し、湿気の影響を受ける地域とは遠く離れているだけでなく、南と西を高い山に囲まれ、湿潤な空気の流入が阻まれます。冬季には砂漠地域でシベリア高気圧が優勢となり、極めて寒冷で乾燥した気候が誘発されます。このような要因が組み合わされた結果、中国の砂漠地域は温帯気候地域において最大の乾燥地域が形成されました。砂漠地域の強風が大量の粒子状物質を大気中に送りこみ、上昇した粒子状物質が砂漠に再び沈積するとしても、相当量が東に流され、黄河に沿って黄土高原(Loess Plateau)に沈積します。また、強い偏西風はこの地域から数千kmも離れた太平洋上空にも粒子状物質を送りこんでいます。

中国での砂嵐は、大部分が中国北部及び北西部で発生しています。タクラマカン砂漠では、一年に33回程となっており、北京西部まで繋がるバダインジャラン砂漠と黄土高原でも多く発生しています。中国での砂嵐は主に春季と冬季に発生していますが、毎年発生する砂嵐の1/3から1/2程が4月に発生します。春季には、冬季に凍りついていた地表の土壌が粗い状態であるため風食しやすい条件を備えており、東アジアの気圧の谷(East-Asian trough)として知られる中国北東部とシベリア上空に位置する上層の気圧の谷と関連する前線により引き起こされるためです。この気圧の谷は、北西部からの寒冷な空気の強い流入と関連しており、中国の砂漠地域を巻きこんで強い砂嵐を誘発します。
(Shao、2000)