ゴビという名が中国の文献に見られるのは旧唐書に「戈壁」として記録されているものが初めてです。モンゴル高原の東南に広がり、内外モンゴルにかかるゴビは「砂漠性草原」、即ち、荒れた草原との意味を持っています。モンゴルの広大な草原を自然構造により区別すると、北部の森林性ステップ(ハンガイ)、東南部の砂漠性ステップ(ゴビ)に両分されます。
ゴビ地域はかつて内海であったと推定され、中でも高期岩層は海成層で褶曲が顕著な半面、白亜紀以降の層を成す点から見て、大撓曲運動以外に地殻変動の大きな影響を受けていません。原型がよく保存された恐竜やその卵が多数発見されているのもこの地層です。大撓曲運動の結果、低地は隆起して陸地となり、その後の風化、浸食作用によって砂礫が堆積し、今日のゴビが形成されました。
モンゴルの砂嵐の日数、drifting dustの日数、黄砂の日数の3種類を見ると、モンゴル西部(アルタイ、ハンガイ及びヘンティー山脈風下側)の砂嵐発生日数は5日以下であるものの、南部(ゴビ砂漠とその他の半砂漠)では20~37日となっています。また、Drifting dustの最大発生日数を記録しているのはモンゴル・エルス地域となっています。
モンゴルにおける砂嵐の61%が春に発生し、砂嵐は平均3.1~6.0時間程続き、日中に50%、夜間に20%が発生しています。砂嵐は都市部でより多く発生し、砂嵐が発生する際の地上風は通常620m/s程です。砂嵐は空気と土壌が乾燥している場合に発生が見られますが、約70%が乾燥した土壌条件にて発生している事が分かっており、砂嵐が発生する際の相対湿度は平均20~40%となっています。また、1960年から1990年にかけて、黄砂の発生日数は3倍に増加しています。
(Natsagdor et al.、2002)
Analysis of Dust Storms Observed in Mongolia
fig. 1 Number of days width dust stroms observed in Mongolia.
fig. 2 Number of days with drigring dust Observed in Mongolia.
fig. 3 Number of dusty days observed in Mongolia.
Sand storm, Drafting dust, Floating dust